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藍色に染まる液を作る、天然灰汁醗酵建てを開始します

皆さんが工房で藍染体験していただく際にお使いになる藍色に染まる液「染液せんえき」。2月中旬の工房オープンに際して作った染液のひとつが寿命になったので新しい染液を作っていきますよ。中の人の寿命はまだまだ長い!人宿藍染工房スタッフ(@shizuoka.aizome)です。

藍染に使う染液の寿命はおよそ1ヶ月から3ヶ月と短命です

藍染の色サンプル:人宿藍染工房
毎日、染液ごとに「色サンプル」を採取

人宿藍染工房では藍甕を2つ、大型ステンレス槽を1つご用意しているのですが、それぞれの染液の「色サンプル」を毎日採取しているんです。

染物に使う液なんて1年や2年使えるんでしょ?…きっと多くの方はそんな風に思っていらっしゃるんじゃないでしょうか。

藍染の中でも昔ながらの方法で染液を作ることを「天然灰汁醗酵建て(てんねんあくはっこうだて)」と言うのですが、化学薬品を用いないため、その染液の寿命というのは非常に短命で、1ヶ月から3ヶ月とされるのが一般的なんです。

ただ、人の寿命と同じで少し永らえることもあるみたいで、工房で使っている染液は3ヶ月半ほど経過しています。

そうとはいえ、1年や2年という長期に渡って使えるというものではありませんで、5月中旬あたりからこの10日ほどでいよいよ寿命を迎えた様子です。

藍甕の中を空にしていきます

人宿藍染工房の藍建ての様子
約250Lの染液が入っています

藍甕には約250Lの染液が入っているのですが、これ、すべて手作業で汲み出していくんです。

せっせとひたすら作業。途中、お客様のご来店があって30分ほど接客したり、ご近所さんが「何しはじまった?!」ってお立ち寄りくださるから半日仕事になりました。

染液の色は「茶色」、藍色ではないのです

藍染の染液は藍色ではなく茶色なんです:人宿藍染工房の藍建て
不思議でしょ、染液は茶色

せっかくの機会ですので、普段見にくい藍甕の中の染液の内部をご覧いただきましょう。

藍甕の表面(染液の水面)は酸素に触れているので深い藍色に見えますが、実は酸素に触れていない水深の部分はこんな感じに「茶色」をしています。不思議でしょ。

寿命をまっとうした染液の最後「畑の肥やし」に

藍染の染液の最後は「畑の肥やし」になります
最後まで藍染は「エコ」です

藍染は染め直しができるだけではなく、染液の最後は畑の肥やしになって、次の世代の藍染のためにその役目をまっとうします。

私たちの身の回りにある多くのプロダクトに用いられている化学染料、合成染料にはない、どこまでもエコな染物といえますね。

静岡唯一の藍畑:人宿藍染工房の藍畑はじめました

新しい染料をつくる「藍建て」をはじめる

新しい染料をつくる「藍建て」をはじめる 
新しい染料をつくる「藍建て」をはじめる

数ヶ月見ることができなくなる藍甕の底ともしばしのお別れです。

天然灰汁醗酵建ての材料は…

天然灰汁醗酵建て:人宿藍染工房
250Lの染液を作るんですよ

それでは、皆さんのご自宅にある材料を使って…と、料理番組のようには参りません。作る染液の量も250リットルですので、一般家庭のバスタブ2杯分というスケールです。

天然灰汁醗酵建て(てんねんあくはっこうだて)
すくも(タデアイの葉を腐葉土にした状態の染料)、木灰(樫などの硬木)からとった灰汁で醗酵させて染液にすること
中の人
藍染の染液を作ることを「藍建て(あいだて)」といいます

すくもの他に、ぬるま湯でペースト状にした「ふすま(小麦粉の外皮)」と石灰を投入しています。

他にも日本酒を入れるというケースもあるそうですけど、中の人は「日本酒は自分で呑むモノ」と考えておりますので、工房の藍建てには用いていません。

人宿藍染工房の藍建て
木灰の灰汁

木灰の灰汁なんてのもなかなか一般家庭ではご用意ございませんでしょ。木灰に水をかけて、上澄み液の部分のことをいいます。この灰汁も硬い木質の硬木の灰がいいとか、こだわりの世界…

人宿藍染工房の藍建て
灰汁を投入

そのままでは少しpH(ペーハー)が高いので、40℃くらいのぬるま湯で希釈して藍甕の4分の1程度まで投入します。

人宿藍染工房の藍建て
藍建て初日の様子

すべての材料を投入したらよくかき混ぜて藍建て初日の作業はおしまい。

少し香ばしいような匂いがするんですよ。

中の人はこの状態を見るたびに「黒ビールが飲みたいっ!」って気持ちになります。なんか似てますでしょ、グラスに注いだ黒ビールに。

まとめ:藍建ては10日くらいかかる予定…

人宿藍染工房の藍建て
藍建て初日の作業を終えてホッと…

何分、藍建てというのは自然醗酵任せな部分が多いアナログ作業です。染液として使えるようになるまで何日かかるか明確には誰もわからないですが、「10日くらいでご機嫌に染まるようになってほしいな」というイメージです。

藍建て初日の作業を終えてホッとしている職人さんの背中…ではありますが。

ここから温度やpH管理などしつつ、順調に醗酵が進んでいくのをチェックしながら次の工程のタイミングを見極める必要がありますのでね…

どうぞ、皆さんも無事に人宿藍染工房の藍建てが進むように願ってくださいね〜

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