藍染のこと

今年ももうすぐ終わり。

ちょっとだけ、藍染について書こうと思います。

藍染と言っても色々な藍染があります。

染める液を作る作り方も色々あります。

合成藍。タデ藍(蒅)を使って化学建て。タデ藍を使って天然灰汁建て。

私が藍染を始めたのは、ここの工房に事務で入って2カ月目で

藍染職人が辞めてしまい、経営者から業務命令で始めるという異色のスタート。

このHPを作ったOBスタッフの方や、蒅の仕入れ先の徳島県の方々に助けて頂き

なんとか色が出せる様になりました。

自分でも、論文や本や藍染関連のSNS等取りつかれたように読みました。

そこで驚いたのが

藍染職人の仲の悪さ。

当工房では天然灰汁発酵建てで液を作っているのですが

他の液の作り方をしている方からやっかみを受けた事も度々。

灰汁建ての人は化学建てを見下しているから

と、言われたこともあります。

・・・・

いや、そんなこと思っていませんし。

私、天然灰汁発酵建てしか知らないので。

それぞれの職人が必要に応じた作り方で染料を作り

染めているだけの事だと思っています。

ただ、天然灰汁発酵建ての良さは沢山あります。

染めた後の廃液を土に返せる事。

そして、色持ちの良さ・職人の手に優しい・・・等

古代より人が人に必要な染めだから残っているのだと思います。

でも、手間がすごいのも事実。

発酵=生き物のお世話になるので

毎日お世話が必要です。1人じゃできません。

個人経営なら家族の協力等がなければ

出かけることもできません。

まさに「共に生きる」覚悟が必要です。

お正月等もお店はお休みでも藍の管理には出社します。

泊りで旅行など行けません。

それでも・・・

日本に残って欲しいと思います。

藍染の発酵の全貌は、これほど長い歴史があるのに

解明しきれていません。

おそらく、蒅の産地や生産した年の気候や作り方、液を作る工房の環境等、

沢山影響があって微生物が1つ1つの甕で違う点が多いからです。

そこを、五感を使って藍の状態を慎重に丁寧に観察しながら

藍の状態に合わせて仕事をします。

五感をフル活動しないと藍の状態は察知できません。

毎日見ていると藍が教えてくれます。

ふすまが好きな甕もあれば

日本酒が好きな甕。

低い温度が好きな甕もあれば

高い方がいい場合も。

他人の事をあーだこーだ言ってる暇はないです。

余計な事に気を取られていては

藍の変化に気が付けません。

 

だからでしょうか。

何の肩書もなく、家が藍染職人でもない私に

困っている時に快く助言をしてくれるのは

いつも、藍染業界でも一流の方々でした。

 

失礼を承知で一度もお会いした事がないのに突然問い合わせても

親切にお答え頂けました。

皆様に共通しているのは

本当に「藍染を残していきたい」という想い。

 

そんな皆様のおかげで、今年もなんとか

液の不具合で仕事が出来ないなどという事なく

過ごす事ができました。

 

藍染は人の体を守るための染色です。

色も美しいです。

もっと身近に藍染が人々に生活に取り入れて頂ける存在になっていけたらと

願っています。

※スタッフ1個人の感想です。

Produced by SOZOSYA

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