このところ初夏のような日もあれば、少し肌寒いような日もあって体調管理がひと苦労…どうも、インドア派宣言!人宿藍染工房スタッフ(@shizuoka.aizome)です。
4月の終わりに工房で藍の種まきをしまして、「藍の観察日記」をお届けしています。
でも、工房で染料として使うには量が足りない…そこで、なんと!「人宿藍染工房の藍畑はじめます」というお話。
地主さんとのご縁。藍畑はじめます。
静岡駅から車で10分ほど、江戸時代には東海道の宿場町として栄えた丸子に畑をお借りしました。
一昨年まで地主さんが自然薯を育てていた畑。
「ひとまず畑は1年やってみないとわからないことが多いだろうから、頑張ってみなさい」そんな温かいお言葉を頂戴しまして、畑のご近所さんや井戸の共同所有者の方にも「ワシから話をしておくよ」と。
そんなご配慮のおかげで、近隣へのご挨拶もとてもスムーズに藍畑をはじめさせていただくことが叶いました。
藍染の本場「徳島県」で藍畑を学んできたことの本領発揮…
一言に「染め職人」といっても染物のジャンルは多岐にわたるため、人宿藍染工房オープンに際して、藍染の世界を深く学ぶべく日本の藍染の本場・徳島県で藍畑から学んできたのでした。
いずれは藍を育て、静岡産のすくもを造り、染めまでを一貫しておこなう「静岡の藍畑の復活」への第一歩が人宿藍染工房です。
工房について:8代目の染め職人が切り開く新境地
事あるごとに、染め職人の8代目でもある伊藤が口にしているフレーズ。
地主さんや畑の近隣の方はもちろん、人宿藍染工房のプロデュースを手掛ける、デザインオフィス創造舎をはじめ、藍染研修で受け入れて受け入れてくれた、一般社団法人ジャパンブルー上板の皆様などお力添えがあり、夢であった「藍畑をはじめる」というカタチが整いました。
畑を使える状態にする作業
少しの間、お休みしていた畑。元自然薯畑を藍畑デビューさせていきましょう。
マルチを剥いでいく作業
土の中にできる自然薯を守るために、畑の畝にはマルチ(黒いビニールシートのようなもの)がかけられていますが、タデ科の植物である藍は丈夫なのでマルチは使いません。
手作業で各畝に張られているマルチを剥がしていきます。
支柱を排除していく作業
自然薯はツル性の植物なので畑の中に支柱が設置されています。
藍には支柱が必要ないので、地主さんの許可をいただいて支柱を一本ずつ排除していきます。人力で抜けたので助かりました。
草むしりと畝の縁を耕す作業
畝に生えた雑草の草むしり。少年時代、地域のグラウンドの草むしりを思い出しながら黙々と…こちらもアナログ手作業です。
ひと通りキレイになったところで、土が固くなってしまっている畝の縁をクワで耕していきます。
少しずつ畑っぽくなってきました。
まとめ:畑を使える状態にするための準備のような段階が整いました
一般的に、藍は3月上旬から4月にかけて種まきをして、4月上旬から5月上旬にかけて苗を畑に植え込んでいきます。
今回、約1ヶ月遅いスタートとなっている人宿藍染工房の藍畑。
少しでも早く苗の植え込みができるように、急ピッチで畑仕事を進めているところです。
皆さんがお手にされる藍染商品や藍染体験で染まる状態になるまで、いくつもの工程を経ていることを知っていただけると、またその藍色への思いもより感慨深いものになるのではないでしょうか。
藍の種から染めあげるまでをすべて静岡で…その思いが励みです。
当初は「畑を使える状態(植え込みできる状態)」にするための作業と思って取り組んだ4日ほどの作業でしたが、どうやら「使える状態にするための準備のような段階が整った」という感じです。
「ひとまず畑は1年やってみないとわからないことが多いだろうから、頑張ってみなさい」
地主さんのおっしゃってくださった言葉の意味が少し理解できたような気がしています。
5月25日からの週で耕運機をかけて、施肥して土作りを進める予定です。天候に左右されることもあるでしょうが、月末には畑に苗を植えられたら…と思っています。