ソーシャルディスタンスを保ちながら、少しずつ静岡の街も人の気配が戻ってきたような印象です。初夏のファッションにマスクという装いが2020年からの標準になっていくのでしょうかねぇ…人宿藍染工房スタッフ(@shizuoka.aizome)です。
最近、工房にご来店のお客様から人気なのが「持ち込み染色」という染直しのサービスです。
お客様お手持ちのTシャツやブラウス、トートバッグなどをお持ちいただき藍染を施すことで、まさに「お客様だけのアイテム」として新たな魅力を吹き込むことが可能です。
職人に委託オーダーできる方法と、お客様ご自身で染めを楽しんでいただく方法をご用意していますが、今回は後者の「持ち込み染色ワークショップ」を楽しんでいただいたお客様の事例をご紹介します。
ビフォー:鮮やかなピンクのキャミソールを染める
今回、お客様がお持ちになったのはとても鮮やかなピンクのキャミソール。素材は綿100%ですが、肩紐から襟元部分はポリエステルを含むレースが付いています。
以前の事例紹介でもお話しいたしましたが、藍染は必ずしも真っ白な生地でなければいけないということはありません。
お客様からの「これ、染め直せる?」にチャレンジするのが楽しみな、人宿藍染工房スタッフ(@shizuoka.aizome)です。 先日、セミオーダーでの染め直しをご注文いただきましたお客様のジャケットが素敵に染め直しできましたので事例を[…]
しかし、ここまで鮮やかなお色の生地を染直しされる機会もなかなかございませんでしたので、藍色と相まってどんなお色になるかとても楽しみです。
お客様ご自身で染めの工程を楽しんでいただきます
持ち込み染色ワークショップの醍醐味は「お客様ご自身で染めの工程を楽しんでいただく」というところにあります。
天然灰汁醗酵建てによる染液をお使いいただいて、本藍染ならではの藍色に染まっていく過程は、染めている本人しか目にすることができない貴重な工程です。
職人によるていねいなレクチャーと共に、4回の染めの工程をお楽しみいただきました。
アフター:鮮やかな藍色が美しい一着の完成
本体部分はとても染まりやすい生地で、本来のピンクを下地にとても鮮やかな藍色に染まりました。
染まりのいい生地は、お客様ご自身もお疲れにならないので良いものですね。
絵の具の足し算と同じように「ピンク+ブルー」で少し紫のトーンが入った藍色に仕上がっています。
こうした、「藍色の中での遊びゴコロ」とでも申しましょうか、独特の藍色に染あがるのは白以外の色味の生地を染めるときの醍醐味といった感じです。
藍色と紫のコントラストが素敵な印象になりました
いかがでしょうか?藍染できる素材としては綿・麻・レーヨン・シルクを推奨しておりますが、ポリエステルが若干含まれる素材もほんのり藍染に染まる場合があります。
綿に比べて染まりは悪いですが、襟元のレース部分は元のお色味と相まってきれいな紫色に染まりました。
お客様にも大変喜んでいただきました。新たな魅力の一着としてこれからの季節のコーディネートに活躍してくれることと思っています。
持ち込み染色ワークショップは素材の重さによってお値段が異なってきますが、「1gあたり30円」でご利用いただけますので、ぜひお客様の大切な一着に新たな魅力を吹き込んであげてください。